top of page

STATEMENT

絵画はエンターテインメントだと思う。『エンターテインメントは、人々を楽しませる娯楽をいう。抽象的な意味をもつ言葉であるが、楽しみ、気分転換、気晴らし、遊び、息抜き、レジャーなどが類語となっており、エンターテインメントにはそういった意味合いを含む。』と辞書に載っていました。私は、作品を見て、鑑賞者自身がそこから世界を広げていく絵画作品は非常に優秀なエンターテインメントだと考えています。

 

私は、作品を鑑賞される方がその作品に包まれている間は非日常世界に意識を飛ばされるような作品を制作したい。それも、なるべくたくさんの人に対して、そのような体験をしてもらいたいと考えています。そのために、表層はできる限りポップに、門戸は広く開けておいて、中に入ると、様々な要素が複雑に絡み合いトリップできる作品を目指しています。

 

作品世界に没入するためには、日常にある様々な要素を、組み合わせ、再構成することにより、非現実的な表現を行うことで、「そこで何が起きているのか」を考えさせることが大切です。ゼロから生み出すのではなく、すでに存在するものから、可能性を広げていくことが意外性と共感を生む大切な要素です。

 

また作品世界を旅すると言っても、日常から非日常の世界に没入するためには、作品世界に浸るための空間が大切です。作品のために用意された空間で、作品を鑑賞することは、その場所でしか得られない特別な体験になります。この考え方は、千葉県の川村記念美術館での展示でバーネット・ニューマンの「アンナの光」を鑑賞し、平面作品と空間の関係が重要であると認識し、その可能性について考えるようになってから、生まれたものです。

 

作品は、会場が決定してから、その場所に合わせて展開させていきます。その場所の特性や歴史、空間を把握して、そこでどんな世界が展開されるかに思いを巡らせ、構想していくことで、作品を夢想し、その世界を旅します。そして、それをなるべく沢山の方々に伝えられる装置を考案し、多くの方に体験していただきたいと考えています。

© 2012 TAKUYA YONEZAWA

bottom of page